2013年1月27日
熊谷宿
電車を乗り継ぎ、熊谷駅までやって来ました。
8:50に本日のスタート地点である筑波交差点へ向かいます。
天気は快晴ですが、とても寒く、風も冷たい中の歩き始めとなりました。
国道17号との交差点、筑波交差点の歩道橋に上がり深谷方面を眺めてみました。
日曜の朝ということもあり、車通りも少なく、歩道にはほとんど人はいません。
右側の歩道を歩きます。所々古い商家を見ることができます。
熊谷市役所入口の先には高城神社の鳥居が立っています。鳥居をくぐって高城神社まで歩いてみました。
もう少しで節分です。暦の上では春です。
次の市営駐車場入口交差点で左側の歩道へ渡ります。
その角には札ノ辻の石碑と説明板があります。かつて高札場のあった場所です。
その先、鎌倉町交差点の手前に本陣跡の石碑と説明板が立っています。
残念ながら、本陣の屋敷は明治17年(1884年)の大火と昭和20年(1945年)の空襲で焼失してしまいました。
鎌倉町交差点を左折して、一つ目の通りを右折すると星渓園の入口があります。
星渓園は回遊式の庭園で熊谷市の名勝に指定されています。入場は無料だったのですが、先を急ぐため、すぐに鎌倉町交差点まで引き返しました。
鎌倉町交差点で国道17号を横断して直進すると熊谷寺があります。「ゆうこくじ」と読みます。
熊谷寺は平安から鎌倉時代にこの地を治めた熊谷直実が晩年を過ごした寺です。源頼朝に仕え、一の谷合戦でまだ若い17才の平敦盛を打ち取ったことにより、武士の非情さに苛まれ、それが原因で仏門に入ったと言われています。
そういえば、熊谷駅前に銅像が立っていました。地元のヒーローだったのですね。
鎌倉交差点に戻って、街道を歩こうとしますが、中山道は角にある八木橋デパートの中を通っています。残念ながら、開店前の時刻です。仕方ないのでデパートの周りを迂回して出口へ向かいました。
かつては、八木橋デパートは中山道の脇に建っていましたが、増改築の際に中山道を取り込んでしまったそうです。珍しいパターンですね。
入口には旧中山道跡の石碑が建っています。
裏に回ると、出口にも石碑があります。
八木橋デパートから旧道らしい細い道を歩きます。二股は右の道に入ります。
おそらく中山道と分かるように地面に色を付けてくれたのだと思います。
国道をさらに5分ほど歩くと石原一丁目交差点に着きます。角に日産の販売店がありますが、その手前の路地を左に入ります。
路地を入った小公園には道標が3本と説明の石碑が立っています。
秩父道の道標です。それぞれの建立年代が違うそうです。かつてはここ石原村から秩父へ通じる秩父道がありました。
再び国道17号を歩きます。熊谷の街中は抜けたようです。
熊谷警察署前の大きな交差点を横断した先で、道は二手に分かれます。
中山道は左の道に入ります。
背中に陽を浴びてやっと暖かくなりましたが、カメラを持つ手はまだまだ冷たいです。
旧道に入ってすぐの右手には一里塚があります。新島の一里塚です。右にあるのは東塚のほうで、西塚は残っていません。太い幹のけやきの木ですが、上の方は切り取られています。日本橋から数えて17里目の一里塚です。
一里塚の先、左手には忍藩石標と説明板が立っています。「従是南忍藩」と刻まれています。忍藩が他藩との境界を示すために立てたものです。
明治維新に撤去されましたが、昭和になって発見され、元の位置に戻りました。
新島地区ではのどかな田園風景が広がります。
視界が開けて秩父の山々でしょうか、先日降った雪が残っています。
20分ほどで再び国道17号と合流します。
国道17号は斜めに横切ります。でも、斜めに横断できないので歩道橋を渡ります。そして、右の道へ入ります。
新島地区に続き、ここ久保島地区も静かでのどかな街道歩きができます。
歩道橋の上に立つと雪を頂いた赤城山を望むことができます。上州もだいぶ近くなりました。
しばらく歩くと住宅団地の中に入ります。籠原駅からの道との交差点の先の左手には、明治天皇御小休所跡の石碑がひっそりと立っています。かつては、茶屋本陣がありました。
その先大きな電線工場がありますが、その脇に東方の一里塚があったそうです。痕跡がないか注意して歩いていましたが、結局、分かりませんでした。日本橋から数えて18里目の一里塚です。
やがて国済寺町に入ります。
歩道の真ん中にイチョウの並木があります。きっと、歩道の右側か左側を拡張したのでしょう。その先は松並木が歩道を占領しています。
右手には質素なたたずまいの愛宕神社があります。立ち寄りませんでしたが、芭蕉の句碑があるそうです。
「冬枯れや世は一色に風の音」。。。
今日みたいな日にはぴったりな句です。
国済寺へ寄り道するために、スーパの角を左折します。
スーパの脇を歩き、一旦国道17号へ出ます。左折して左手に入ると国済寺があります。黒門を抜けると三門、本堂の前に出ます。なかなか質素な造りで、見る人を落ち着かせてくれます。
中山道に戻り先へ進みます。原郷交差点の角には見返りの松があります。
深谷宿に泊まった旅人が一夜の間柄となった女と別れを惜しんだ場所だそうです。
先代の松は枯れてしまい、今は若い松が立っています。