2020年11月14日
高尾
今年は新型コロナウイルスが猛威を振るい、4月5月の季節の良い時期も自粛生活で外出も出来ずにいました。今日はおよそ10ヶ月ぶりに街道歩きに出かけてみたいと思い、高尾までやってきました。
8:30くらいに高尾駅のホームに降り立ちましたが、多くのハイカーで埋め尽くされていました。天気は快晴、この時期としては珍しく、日中は20℃まで上がる予報です。8:40に本日のスタート地点である高尾駅前交差点に向かいます。
高尾駅前交差点の角にあるファミマで昼食と飲み物を仕入れた後、交差点を左折して甲州街道に入ります。
朝の甲州街道は、車の往来はほどほどありますが、とても静かです。
高尾駅前交差点から10分弱で街道は左へカーブして中央本線の下をくぐります。
中央本線と交差する甲州街道の下には南浅川が流れていて、両界橋と呼ばれる橋が架かっています。橋から上流は獅子が淵と呼ばれ、紅葉も始まり、なかなか良い眺めです。
駒木野宿
すぐの西浅川交差点で甲州街道は右に入ります。国道20号はそのまま直進して、大垂水峠を越えて、小原宿の手前、底沢で甲州街道と合流します。
交差点を右折すると、駒木野下宿に入ります。
駒木野宿に入ると、町並みは続きますが、センターラインのない狭い通りになります。
この先の小仏バス停に向けて、ハイカーを乗せたバスが2台連なって、何度か追い越していきます。
駒木野病院先の右手には、小仏関所跡が見えてきます。
柵の囲いの中には、小仏関址の標石、手前には手形石と手付き石が並べられています。手形石には通行手形を置き、手付き石には通行人が吟味を受けている間、手を置いておくものでした。
小仏関所は、戦国時代には小仏峠に設置されていましたが、北条氏滅亡後の天正18年(1590年)に徳川家康によって現在の場所へ移設され、整備されました。そして、明治2年(1869年)に廃止されるまで、甲州街道を行く旅人を厳しく取り締まっていました。
昭和3年(1928年)には、国の史跡に指定されました。
小仏関所は四方を木柵に囲まれ、東門と西門が設置されていました。北側は山、南側は小仏川に挟まれた場所だったようです。また東門の前には榎沢川が流れ、駒木野橋が架けられていました。
敷地の角には、甲州街道駒木野宿と記された石碑が立っています。
小仏関所の少し先、中宿を歩くと、左手には石仏とともに「甲州街道念珠坂」と記された石碑が立っています。
昔この地に住んでいた鬼が老婆を襲おうとした時に、老婆の数珠の紐が切れて、数珠が散らばり、鬼が坂の下まで転がって大穴に落ちてしまったという謂れがあります。
緩やかな念珠坂を下ります。
やがて、人家がまばらになり、街道の左手には小仏川の清流が迫ってきます。圏央道の高架橋がこの風景に似つかわしくありません。いつも利用させてもらっている道なのですが。。。
また、甲州街道は中央自動車道と並行に走っていますので、常に自動車の通過音が山中に響き渡ります。
念珠坂の石碑から10分ほどで、左手の道端には、かつての蛇滝旅籠の「ふぢや新兵衛」が建っています。軒下には講札が下げられていて、蛇滝講の人々が宿泊していました。蛇滝は水行の場でした。
建物の脇には「上行講 是より蛇滝まで八丁」と記された道標が立っています。蛇滝は甲州街道から高尾山道に入り、高尾山の中腹にあります。
圏央道の下をくぐります。かなり高いところを走っているものです。
圏央道をくぐったすぐの左へ入るT字路の角には高尾山道の道標があります。ここから、高尾山へ登る中腹に蛇滝があります。
甲州街道を歩くと、柚木でしょうか柑橘系の実をいっぱいつけた木を所々見ることができます。
おからドーナツで有名なするさしの峰尾豆腐店の前を通ります。
峰尾豆腐店から12分ほど歩くと道は二股に分かれます。甲州街道は右手に入りますが、左手の道は高尾山へ通じているようです。この辺りは、高尾山口から見ると高尾山の裏側に位置し、町名も裏高尾町となっています。
小仏宿
分岐の先で、中央本線の下をくぐります。煉瓦造りのガードとなっていて、明治時代の建造物と言われています。やはり、煉瓦造りは味わいがあります。
小仏宿を歩きます。かつての宿場町を思わせる町並みはありません。
小仏宿は駒木野宿との合宿で月の半分で宿場業務を担当していました。本陣や脇本陣を置かず、小さな宿場だったそうです。
小仏宿に入って10分ほどで小仏バス停に到着します。高尾駅北口からのバスの終着停留所です。多くのハイカーがここから歩き始めています。停留所にはトイレも整備されています。
街道は緩やかな車道を上っていきます。
やがてS字の急坂となります。
S字のヘアピンカーブを2回回った先で、右手に景信山への登り口があります。多くのハイカーはここから景信山へ向かうようで、小仏峠へ直進する人は少なくなりました。
さらに5分ほど歩くと、駐車場に出ます。車が入れるのはここまでで、その先からは山道となります。