2021年10月16日
三軒茶屋跡
自然遊歩道に入って12分、石垣で三段のエリアに区切った三軒茶屋跡に出ます。笹子峠越えを前にして、旅人は腹ごしらえしたのでしょう。
一角には明治天皇御野立所址碑が立っています。周辺にはベンチも設けられ、休憩場所になっています。
砂防ダムの滝を見つつ、さらに沢沿いの遊歩道を上っていきます。吹く風は涼やかで気持ちが良いです。
やがて目新しいテラスが見えてきます。ちょっと、この山中には似つかわしくないように思いますが、矢立の杉に着いたようです。
杉の巨木が立っています。その昔、合戦に向かう武士が武運を祈願してこの杉に矢を打ったことから「矢立の杉」と名付けられました。説明板によると根廻り14.8mもあるそうです。残念ながら幹は高さ21mのところ折れていて、中は空洞になっています。それでも、青々とした葉をつけています。樹齢は1,000年越えでしょうか。
笹子餅のパッケージで見ることができますが、歌川広重もこの大木を描いています。
テラスから杉を見ます。新しくできた休憩所になっています。テラスの脇には杉良太郎の「矢立の杉」の歌詞碑とお地蔵様がいます。
テラスで休憩した後、甲州街道の手書きの道標に従って、先の上りの道に入ります。
上り坂が続きます。
さらに、上りが続きます。結構、きついです。
尾根伝いに、まだまだ上ります。
やがて、県道が下に見えてきました。山中を歩いて、舗装道路に出るとなんとなくほっとしますね。
県道に出ます。標識に従って左へ進みます。
県道はヘアピンを描いて、高度を上げていきます。
矢立の杉から30分上り続けて、やっと正面に笹子トンネルの入り口が見えてきます。
茶色地に白の神殿の柱を思わせる意匠はとてもお洒落です。このトンネルは、昭和13年（1938年）に完成し、甲州街道の往来には無くてはならない施設となりました。しかし、昭和33年（1958年）に新笹子トンネルが完成して、その主役の座を譲りました。今は全く車が通らない道となってしまいました。平成11年（1999年）に国の有形文化財に指定されました。
さらに、笹子峠を目指します。トンネル入り口の手前右手から峠道に入ります。入口にはクマ出没注意の標識が。
比較的明るい峠道です。少々、道筋が分かりにくい上り坂です。
峠道入口から約10分で笹子峠に到着しました。笹子雁ヶ腹摺山やカヤノキビラ頭への登山道との交差点になっています。帰ってから峠の標高を調べてみたところ、1,096mでした。笹子駅の標高が600mだったので、およそ500m上ってきたことになります。
峠を越えて下り始めたすぐの右手高台に、天神祠の赤い鳥居が見えます。奥に灯籠が鎮座しています。笹子峠を越える旅人の安全を願ったものだと思います。
まだ落葉の季節ではありませんが、落ち葉でふかふかした峠道を下っていきます。
峠から下ること10分弱で、下の方にトンネルの出口が見えてきます。
すぐに、県道に出ます。甲州街道は道路向かいのガードレールの切れ目から、さらに、山中に入っていきます。
その前に、トンネルの出口まで行ってみます。こちら側はコンクリートが剝き出しで趣がありません。化粧が落ちてしまったのでしょうか。
再び、ガードレールの切れ目まで戻り、標識に従って旧道に入っていきます。
さらに、ふかふかな道を下っていきます。
すぐに、県道に出ます。
