今へ続く街道を歩くと

気楽に歩きながら街道の雰囲気を楽しんでいます

東海道(2)蒲田~川崎宿~神奈川宿~東神奈川 その3

 

2021年12月25日

 

寺尾稲荷道道

 

 寺尾稲荷道道標です。この道標はレプリカで当時のものはこの先の鶴見神社境内に納められています。寺尾稲荷は現在では馬場稲荷と呼ばれ、ここから西へ3kmくらい行ったところにあります。寺尾稲荷道は写真の後方に写っている道でしょうか。

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 鶴見駅東口入口交差点を右折して鶴見神社へ向かいます。

 鶴見神社の歴史は古く、推古天皇時代の創建だそうです。もとは杉山大明神と言われていましたが、大正9年1920年)に神社名を鶴見神社と改めました。

 境内には富士山信仰の富士塚貝塚遺跡があり、先ほど通過した寺尾道標が残されています。

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 交差点に戻り、東海道の先を進みます。道は大きく左へカーブします。カーブする左手には、信楽茶屋の説明板が立っています。この辺りは立場として栄え、江戸名所図会にもその様子が描かれています。

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 信楽茶屋の説明板の先には、旧東海道の説明板もあります。海を見られる鶴見や生麦は間の宿として大変賑わいました。名物「よねまんじゅう」を提供する店があったそうで、この先で「よねまんじゅう」を買って帰ろうと思います。

 さらにその先には、鶴居堂の説明板があります。かつて、咳の特効薬「苦楽丸」を扱う黒川四郎左衛門の屋敷があった場所です。ある時、庭先に四羽の丹頂鶴が舞い降りたことから鶴居堂と名付けられました。

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 すぐのところで京急鶴見駅とJR鶴見駅前のロータリーに出ます。ここで、鶴見名物のよねまんじゅうを買うために寄り道をします。京急の高架をくぐり、大通りを左手へ少し歩いた先にある「御菓子司 清月」へ向かいます。こしあん、白あん、梅あんを薄く羽二重餅でくるんで現代風にアレンジしたものだそうです。帰ってからいただきましたが、大福とは違う食感で、梅あんが美味しかったかな。

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 京急線の高架まで戻り、街道を進みます。京急線の西側に沿って伸びる道が東海道です。ちょうど、鶴見銀座商店街のイベントがあったようで、キッチンカーが出ていたり、ジャズの演奏があったり、賑わっていました。

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 パン屋の脇にサボテン茶屋の石碑が立っています。

 「旧東海道 覇王樹茶屋跡 みぎひだり つのを出して 世の中を 見たるもおかし さぼてんの茶屋」

 サボテン茶屋は延宝7年(1679年)創業で、往時には大きなサボテンが生えていたので有名になりました。ここのパン屋さんエスプランは昭和27年(1952年)にサボテン茶屋から転身されたそうです。

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 京急鶴見駅から8分ほど歩くと下野谷町入口交差点で国道15号を横断します。正面の細い道に入ります。

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 しばらく歩くと、JR鶴見線の高架下を通ります。

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 高架の上はJR国道駅ホームで、高架下の弧を描く梁がとてもレトロです。昭和5年(1930年)に開業した鶴見臨海鉄道の駅をそのままJRが引き継いでいます。

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 生麦地区に入ります。この辺りの東海道鶴見川のすぐ脇を通り、河口も近いので、鮮魚店を多く見ることができます。生麦魚河岸通りとも呼ばれています。

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 鶴見線の高架をくぐってから15分くらいで生麦事件発生現場があるようです。説明板が立っているはずですが、どうやら見逃したかもしれません。

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 大きな通りを横断した先で、左手から高速道路が近づいてきます。その向こうには大きなキリンビールの工場があります。

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 歩道には「横浜旧東海道」のパネルが埋め込まれています。

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 下野谷町入口交差点で国道15号を横断してから生麦旧道を歩いて約30分、再び国道に合流します。国道の左手方向に進みます。

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 国道15号に入ってすぐの、高速道路の高架下には生麦事件の石碑が立っています。石碑の周りは整備されています。文久2年(1862年)、薩摩藩島津久光の行列と騎上のイギリス人4人とが遭遇し、行列の通行を妨げたとして、薩摩藩士がイギリス人一人を殺害するという事件が発生しました。先ほど通過した事件発生現場で深手を負ったリチャードソンはここまで逃げてきましたが、薩摩藩士に追いつかれてとどめをさされました。その後、賠償問題から薩英戦争に繋がりました。石碑は、明治16年(1883年)に遭難碑として建てられました。

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 ここからは再び国道15号の歩道を歩きます。すぐの左手には、子安の一里塚の碑が立っているとのことですが、ここも見逃してしまったようです。日本橋から数えて6里目の一里塚です。

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 生麦事件の碑から歩くこと15分強で新子安駅入口交差点に着きます。Aさんは時間の都合上、ここでお別れです。お疲れさまでした。

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神奈川宿

 

 新子安駅入口交差点からさらに15分歩き、浦島町交差点を右へ入ります。単調な国道歩きから離れて、静かな「神奈川宿歴史の道」を歩きます。すぐの十字路を左折して進むと、神奈川通東公園の脇に出ます。京急神奈川新町駅のそばにあります。

 この辺りには神奈川宿の江戸側の入り口があり、土居と呼ばれる桝形がありました。街道の両側から互い違いに防護壁を突き出したものでした。

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 この公園にはかつて長延寺があった場所でしたが、昭和40年(1965年)に国道の拡張工事のため、緑区へ移転しました。長延寺には横浜開港の際にオランダ領事館が置かれました。

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神奈川宿歴史の道を西へ歩きます。

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 突き当りのT字路を左折して国道に出ると良泉寺の山門が建っています。横浜開港時に幕府から諸外国の領事館に割り充てるという達しがありましたが、住職が本堂の屋根の工事中という理由で、突っぱねたと言われています。

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 良泉寺の先から右折して再び歴史の道に入ると能満寺があります。立派な山門です。

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 その隣は神明宮です。牛頭天王を祀っています。隣の能満寺は神明宮の別当寺であり、同じ場所にありましたが、神仏分離で分けられてから現在に至っています。

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 神明宮と能満寺の間の道から国道に出て先へ進みます。

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 すぐに神奈川二丁目交差点に着きます。本日の街道歩きはここで終わりにして、交差点を右折して東神奈川駅へ向かいます。

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 途中の京急東神奈川駅には仲木戸駅の説明板が架けられています。京急東神奈川駅は2020年3月に仲木戸駅から名称変更されました。江戸初期、将軍が上洛する際の宿泊のために御殿が造られ、人の出入りを制限する木戸が設けられました。しかし、江戸時代のうちに御殿はなくなり、木戸も廃止されましたが、地名だけに仲木戸という言葉が残りました。

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 そして、JR東神奈川駅に到着しました。時刻は15:05です。今日は6時間ちょうどの行程でした。横浜経由で帰路につきました。

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