今へ続く街道を歩くと

気楽に歩きながら街道の雰囲気を楽しんでいます

東海道(11)新蒲原~蒲原宿~由比宿~興津宿~江尻宿~清水 その5

 

2023年1月21日

 

浦安橋

 

 薩埵上道を辿り、海岸線が隆起して再び通れるようになった(現代の)薩埵下道と合流した後、興津川に架かる浦安橋を渡ります。往時の川渡しは東海道本線の橋梁の少し上流にありました。

 

橋を渡り切ると右手の階段を下り、Uターンして川の堤防まで戻り、道なりに鉄橋へ向かいます。

 

 その先、線路に突き当たりますが、渡し場まで行けないので、左折して線路際を西へ進みます。

 

 次第に線路から離れ、道なりに住宅街を歩きます。

 

 やがて、先ほどの浦安橋の先で分かれた道と合流し、右折します。

 

 どうやら、ここから先は国道1号の旧道になるようです。

 

 

興津宿

 

 興津宿へ入ると右手に身延道入口の碑が立っています。かつては身延山久遠寺への参詣道でした。身延道はその先、甲府まで続いています。甲州街道を歩いた際に、甲府駅近くで「みのぶ道追分道標」が立っていました。身延道は駿河国では富士川沿いの岩淵と由比とここ興津からの3つのルートに分かれていました。

 

 興津駅入口交差点を通過します。

 手前に興津の一里塚碑が立っていたようですが、見逃してしまいました。日本橋から数えて、41里目の一里塚です。

 

 かつての興津町役場跡が興津宿公園として整備されています。

 

 右手には興津宿東本陣址碑が立っています。

 

 東本陣跡の先、左手には脇本陣水口屋跡碑があります。水口屋は昭和60年(1985年)まで旅館を営んでいましたが、現在はその建屋の一部を使い、ギャラリーとして水口屋や興津を示す資料を展示しています。

 

 水口屋のはす向かいには西本陣址碑があります。

 

 右手の線路の向こうには清見寺が建っています。徳川家康(竹千代)が今川家の人質とされていた頃の手習いの間が遺構として残されています。

 またこの地には天武天皇が設けたと言われる清見関がありました。

 

 その先左手には西園寺公望の旧別邸、興津坐漁荘があります。公開していたので見学させてもらいました。

 

 元来の建物は愛知県にある明治村へ移築され、この建屋は復元されたものです。ボランティアの方から丁寧な説明をいただきました。西園寺は当初沼津あたりに別荘の土地を購入していましたが、沼津の冬が寒かったため、温暖なこの地に場所を移したそうです。この辺りは西側に山があるため季節風が吹かず、冬でも暖かな場所だそうです。確かに、今日も朝方に比べると暖かいです。

 2階へ上がると前方のビルとビルのわずかな隙間から三保の松原が見えることを教えていただきました。

 

 この辺りは清見潟と呼ばれ古くからの景勝地でした。

 街道を歩くと、左から国道1号バイパスが合流してきます。バイパスをくぐり、橋を渡ったところで、左の道へ入ります。

 

 住宅街を歩くと道なりに右折します。

 

 東海道本線の横砂踏切を渡ります。

 

 その先で、再び国道1号に合流します。正面には延命地蔵堂が立っています。常夜燈も見えます。

 

 右手には東光寺の格子門が建っています。勅使が興津川の川止めに合い、泊まることになった際、急遽造られたと言われています。今の門も新調されたようです。

 

 庵原川を渡ります。

 

 松の木が1本。街道の名残の松でしょうか。

 

 庵原川を渡り、街中の単調な道を歩いて20分弱で、辻町交差点を右に入ります。

 

 分岐のスペースには細井の松原と無縁さんの碑が立っています。細井の松原は慶長9年(1604年)に2代将軍秀忠の命で街道の両側に松を植えました。しかし、太平洋戦争で航空機の燃料を摂るために伐採されてしまいました。今は往時の面影を残すべく1本の松の木が植えられています。

 また、松並木を伐採した際、街道で行き倒れた人を埋葬した場所が見つかり、供養のために「無縁さん」碑を建てました。

 

 

江尻宿

 

 その先で辻村の高札場跡や一里塚(辻の一里塚、日本橋から数えて42里目)跡、西木戸跡の標柱があったようですが、すべて見逃してしまい、旧辻村から江尻宿に入っていました。

 

 旧東海道江尻宿の表示があります。

 

 江尻東交差点に到着しましました。本日の街道歩きはここまでとして、左折して清水駅へ向かいます。

 

 そして、清水駅につきました。時刻は14:05。本日は5時間55分の行程でした。

 東海道本線はトンネル内の点検だとかで、大幅に遅れていたので、静岡回りで新幹線に乗って帰路につきました。

 

 

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