東海道(27)井田川~亀山宿~関宿~関 その4
2024年4月13日
布気
東海道は竜川を渡り、亀山宿を後にします。古い町並みや一里塚の残る野村を過ぎて、布気町に入ると、その先、落針観音堂の脇から急坂を下っていきます。

坂道を下った先で、東海道は関西本線に行く手を遮られてしまうので、手前にある黒壁のお宅の前を左折して、線路を越えます。

東海道の標識に従って、線路と県道をまとめて越えます。跨線橋脇には安政6年(1859年)と記された常夜燈が立っています。

県道と関西本線の線路を越えます。跨線橋の上に立つと、県道の右手から合流する東海道と、この先の東海道が線路で分断されているのがよく分かります。

南西方向の山並みが良く見えます。何という名前の山なのかはよく分かりませんが。

東海道は太岡寺(だいこうじ)町に入り、桜並木が始まります。かつては太岡寺畷と呼ばれる東海道でも有数の長さを持つ畷道が鈴鹿川に沿って続いていました。現代は桜並木となっていますが、江戸時代には松が植えられていました。

桜はちょうど満開から散り始めたところで、桜祭りの提灯の取り外しが行われていました。
途中、太岡寺畷の謂れについての説明板が立っています。太岡寺畷はかつてこのあたりにあった大寺院の名前から取られたものです。
松尾芭蕉の七部集「ひさご」には、門弟の野径の詠んだ句が記されています。
から風の 太岡寺縄手 吹通し

並行して流れる鈴鹿川です。

太岡寺畷は東名阪自動車道の高架の下をくぐります。

高架下の壁には、桑名から坂下までの広重の五十三次の浮世絵が描かれています。

鈴鹿川の上流方面です。桜並木はまだまだ続きます。

太岡寺畷を歩き始めて10分強で、東海道は関西本線の踏切を越えます。さらに、その先で、国道1号に突き当たります。

突き当りの右手にある歩道橋で国道を横断して、右側の歩道を南へ向けて歩き始めると、すぐのところで小野川を渡ります。

その先、国道から分岐して右の坂道を上っていきます。

関宿の大看板が立っています。

坂道の左手には、「関の小萬のもたれ松」の説明板が立っています。母の遺言に従い、仇敵を打つべく、亀山城下まで武術を修業していた小萬が、若者たちのたわむれを避けるために身を隠した松があったと記されています。

関宿
関宿の大看板から10分弱歩くと東追分に着きます。この場所は伊勢別街道との追分で、京方面から伊勢参りをする旅人は、ここから伊勢別街道を通って伊勢神宮へ向かいました。
ここに立つ大鳥居は式年遷宮ごとに伊勢神宮の宇治橋内側の鳥居をもらい受けています。そして、宇治橋内側の鳥居は内宮の棟持柱を転用します。つまり、
内宮棟持柱 → 宇治橋内側の鳥居 → 関宿東追分一の鳥居
ちなみに、以前訪れた桑名七里の渡しに立つ伊勢の国一の鳥居は、
外宮棟持柱 → 宇治橋外側の鳥居 → 桑名伊勢の国一の鳥居
の順に20年ごとに使われています。

大鳥居に圧倒されていますが、左手ブロックの擁壁の上に一里塚跡の碑が控えめに立っています。関の一里塚で、日本橋から数えて106里目の一里塚です。

関宿に入ります。最初は木崎地区です。

関宿は東の追分から西の追分まで1.8km続きます。街道沿いの町家の多くは江戸末期から明治にかけて建てられたもので、宿場町のたたずまいを残しています。昭和59年(1984年)に、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

緩やかに坂を上っていきます。今日は土曜日ですが、観光客らしき人は見かけません。観光地というよりは生活の場なのでしょう。

坂の上から来た道を振り返ります。入口が街道に面した切妻平入り形式の建屋が続き、各家々の屋根が整然と並んでいて宿場町の趣を出しています。

虫籠窓が目を引く旧家は浅原家住宅で、米屋や材木屋を営んでいました。玄関脇には「ばったり」と呼ばれる収納式の棚が見られます。

中町に入り、右へ入るT字路の角には御馳走場跡があります。関宿を通る大名に対して、宿役人が出迎えたり、見送ったりした場所で、関宿には全部で4か所の御馳走場がありました。振り返って見ています。

左手には関の山車(やま)会館の山車の収納庫が見えます。7月に行われる関宿祇園夏祭りに、4台の山車が曳き回されます。「これ以上は限度」といった意味の「関のやま」の言葉は、この関の山車が語源と言われています。山車の車幅とか豪華さからきているようです。

これは鯉の滝昇りの漆喰アートですね。

やがて十字路に出ます。ここを左折するとJR関西本線の関駅に通じていますが、今日はもう少し先まで散策してから、ここに戻ってこようと思います。

少しずつ観光客が増えてきました。

右手には、玄関上に千鳥破風のある旅籠鶴屋があります。鶴屋は江戸時代の終わりには脇本陣も務めていました。この破風が格式を示すものだったそうです。

鶴屋の隣には、中町三番町山車庫があります。
