水戸街道(1)北千住~千住宿~新宿~松戸宿~松戸 その3
2024年12月28日
葛西神社
千住宿で日光街道から分かれて東へ歩き、江戸川のほとりの葛西神社までやって来ました。
葛西神社は元歴2年(1185年)にこの地を治めていた葛西清重が下総国香取神社より勧請したのが始まりです。上葛西、下葛西33郷の総鎮守とされていました。

境内には葛西ばやしの碑が立っています。東京やその近郊の地域で行われている祭り囃子の原型とされていて、江戸時代、ここ葛西神社(香取神社)の神主が和歌に合わせた音楽を考案した和歌囃子が始まりと言われています。東京都の無形文化財に指定されています。

葛西神社の西から水戸街道に戻り、道なりに北へ進むと葛西神社裏交差点で江戸川の土手に突き当たります。

交差点から土手に上がり、上流に向けて歩き始めます。正面に見える橋は外環道の葛飾大橋で、水戸街道はその隣に架かる葛飾橋を渡ります。

土手道を歩いて10分強で外環道の下をくぐります。外環道の下を通る国道298号を横断します。

その脇に架かる葛飾橋の袂に着きました。水戸街道はここで江戸川を渡りますが、寄り道のため、もう少し、先の土手を歩いていきます。

江戸川の対岸は千葉県で、松戸の街が見えます。

葛飾橋から5分ほどで土手下のポンプ場の脇に「金町関所跡」の碑が立っているのが見えます。

土手を下って石碑まで行ってみます。金町関所は水戸街道が江戸川を渡る場所に設けられ、明治2年(1869年)までその役目を果たしました。ここ金町と対岸の松戸宿の間は舟で渡されていましたが、将軍が小金牧で鹿狩りを行う際は、舟を並べた上に板を敷く、船橋が設置されました。明治の江戸川の改修により、関所施設は堤防の下に埋もれてしまったようです。

再び土手に上がって、さらに上流に向けて歩いていきます。すぐに埼玉県三郷市に入ります。

海から20kmの標識の辺りに、

小向の渡し跡の碑が立っています。この場所にも松戸宿とを結ぶ渡しがあり、戦後もしばらくは使われていました。

葛飾橋の袂まで戻り、橋を渡ります。

江戸川の流れです。水量はありますね。

橋の半ばで千葉県に入ります。

橋を渡り切って、土手道を上流に向けて歩き始めます。

松戸宿
葛飾橋から歩くこと10分で、土手から東へ続く道と、その角に松戸宿碑が立っているのが見えます。

この場所から振り返ると、ちょうど対岸には水門とその向こうに、関所跡のあった金町のポンプ場を臨むことができます。ここが松戸宿側の渡し場跡になります。

土手を下ると新しい松戸宿碑が立っています。「是より御料松戸宿 右 水戸道 左 江戸道」と記されています。脇に立つ説明板の文字が半分消えかかっていて解読が難しいのですが、かつてはこの場所の河川敷側に、天領であることを示す御料傍示杭が立てられていました。松戸宿の南の玄関口でした。

下横町の通りの先、突き当たりを左折すると松戸宿の中心に入ります。左手郵便局はかつての脇本陣が、さらにその隣は本陣がありました。

宮前町交差点を左折したマンションの生け垣には、

本陣の碑が立っています。ここ松戸宿本陣は吉岡家、伊藤家が務め、水戸徳川家の移動を始め、参勤交代には常陸国土浦藩、笠間藩、陸奥国磐城平藩、相馬藩など十数家の大名が休憩や宿泊をしました。

宮前町交差点に戻り、その先の街道の右手には松戸神社の鳥居が立っています。

坂川に架かる赤い橋を渡ると、

境内に入ります。松戸神社の祭神は日本武尊で、寛永3年(1626年)に社殿が創建されました。景行天皇40年(110年)に日本武尊が武蔵国へ向かう際、この地で陣を張り、従将を待ったという謂れが残っており、その後、祠を建てて祀ったといわれています。

水戸街道に戻り、先に進みます。この県道5号は車の渋滞が激しく、趣のある町並みを眺めながらゆっくりと歩くというわけにはいきません。
先ほど松戸神社の脇を流れていた坂川が街道を横切り、それに架かる春雨橋を渡ると、左手マンションの生け垣の中に、「松戸宿 坂川の歴史」と記された石碑があります。

左へ入る路地の先に宝光院が見えます。

路地の入り口近くには「千葉周作修行之地」と記された標柱が立っています。文化6年(1809年)に15歳の千葉周作は一家で松戸宿へ移り住み、宝光院近くの浅利又七郎の道場で剣術を学びました。その後、北辰一刀流を編み出して神田に玄武館を開きました。

西蓮寺の路地を左折して寄り道をします。

坂川を超えて、江戸川の土手まで歩くと、納屋河岸の標柱が立っています。銚子で水揚げされた鮮魚は利根川を舟で上って、布佐(我孫子)で陸上げされ、陸路を通ってここ松戸宿の北側から江戸川を下って、日本橋の魚河岸に運ばれました。松戸は舟運の拠点でもありました。

眺めはあまり変わりませんが、納屋河岸付近の土手から見た江戸川の眺めです。

水戸街道に戻り、次の信号のある交差点に到着します。本日の街道歩きはここまでとして、右折して松戸駅へ向かいます。

そして、松戸駅に到着しました。時刻は14:25で、今日は5時間30分の行程でした。


*国土地理院の地図を加工しました。