今へ続く街道を歩くと

気楽に歩きながら街道の雰囲気を楽しんでいます

鎌倉街道上道(18)根小屋から高崎 その1

 

2024年11月24日

 

根小屋

 

 今日は前回のゴール地点の上信電鉄西山名駅から高崎まで歩き、これで鎌倉街道上道は完歩になります。鎌倉街道上道のゴールは高崎城址としますが、その先の本町1丁目交差点までは行くことにしました。この場所は中山道と三国街道の分岐点になっています。鎌倉街道から中山道や三国街道への繋がる場所を考えてみました。

 前回、西山名駅に「上野三碑(こうずけさんぴ)」のひとつ、山上碑の説明板が立っているのを見ました。上野三碑はここ高崎市に残る古代(飛鳥時代から奈良時代)の漢文が刻まれた最古の石碑で、日本には18例しか残っていないうちの3体です。それぞれの年代は、山上碑が辛巳年(681年)、多胡碑は和同4年(711年)、金井沢碑は神亀3年(726年)とされ、記録の様式は朝鮮半島からの渡来人がもたらしたものと考えられています。これらの石碑は平成29年(2017年)に「ユネスコ世界の記憶」に登録されました。

 上信電鉄高崎駅の改札口へ通じる通路には、これら3つの石碑のレプリカが置かれています。

 

 今日は最初に上野三碑を見学してから鎌倉街道歩きに入ろうと思います。とはいうものの、これらの石碑の所在場所は、近いようで微妙に離れているので、ルート選びに作戦を考える必要があります。幸いにも三碑を繋ぐ無料シャトルバスが毎日運行されていて、電車と組み合わせることにより、最適なルートを考えることができます。

 まずは、上信電鉄根小屋駅まで電車で向かい、歩いて10分ほどの金井沢碑を目指します。高崎駅でレプリカを見学してから、上信電鉄に乗り込み、8:30に根小屋駅に到着しました。天気は快晴ですが、めちゃくちゃ寒いです。

 

 駅前には金井沢碑の説明板と地図が立っています。ここから870m先で、丘陵の少し中腹にあるようです。

 

 柿がたわわに実っていました。

 

 8:40に駅を後にしまします。金井沢碑までは行き先表示が出ているので迷うことはないでしょう。

 

 道なりに山道へ入っていくと、下りと上りの二又が現れます。分岐には「特別史跡 金井沢碑 入口」の標柱が立っています。沢に沿って下って行きます。

 

 陽の陰った道を進みますが、やっぱり寒いです。

 

 その先で、金井沢碑の駐車場が現れます。ここには、東屋やトイレも完備されていて、無料シャトルバスの停留所にもなっています。

 

 金井沢碑へは、東屋の脇から階段を上っていきます。最初は木製の階段でさほど急ではなかったのですが、

 

 最後の階段が結構急です。階段の上には建屋に収められた石碑が展示されています。石の劣化を防ぐためのようです。

 

 正面から窓越しに金井沢碑の写真を撮ろうとしましたが、正面から陽が当たり、難しかったので側面からの写真になりました。右手陽が当たっている面が文字の彫られている面です。

 残念ながら、訪問した時間が早すぎたのだと思いますが、ボランティアの方が現地にはいらっしゃいませんでした。

 時刻は9時ちょっと前です。下の駐車場から出発するバスの発車時刻は9:40で、次の多胡碑へ直接乗っていくことができます。しかし、日陰で30分以上じっとしているのも辛いので、徒歩で根小屋駅へ戻り、9:08発の電車に乗って、吉井駅に向かうことにします(吉井駅には9:23着)。そして、吉井駅発9:50のシャトルバスに乗ると10:00には多胡碑へ到着します。

 

 根小屋駅に戻ると、駅舎内には金井沢碑の拓本を見ることができます。

 金井沢碑は神亀3年(726年)に古代豪族の三家(みやけ)氏が先祖供養のために建立したと言われています。三家氏は北側を流れる烏川両岸を治めていた佐野三家の末裔と考えられています。

 

 9:08の電車に乗り込みます。

 

 そして、15分ほど電車に揺られて吉井駅に到着しました。

 

 吉井駅には多胡碑の拓本が飾られています。

 多胡碑は和同4年(711年)に多胡郡が設置されたのを記念して建てられました。

 

 シャトルバスで10分ほどで多胡碑のある場所へ到着します。一帯は「吉井いしぶみの里公園」として整備されています。

 

 イチョウの黄色も見頃ですね。

 

 多胡碑も側面からの写真になってしまいました。下の写真の右面が文字面になっています。

 

 公園の奥には多胡碑記念館が建っています。見学している余裕はないかもしれないので、また次回に来た時にでもゆっくり見学させてもらいます。

 

 10:15くらいに多胡碑に別れを告げて、吉井駅まで歩いていくことにしました。

 道なりに西へ歩いて行くと上池交差点で県道71号に出るので、左折して南へ向かいます。

 

 その先、国道254号とのT字路、池南交差点を右折して国道に入ります。片側2車線の国道の脇にかなり広い歩道があると思ったら、側道でした。

 

 次の信号のある交差点、鍛冶町東交差点を左折して道なりに住宅街を歩いて行き、上信電鉄の踏切を越えます。

 

 保健センターの先の三叉路を右折すると、しばらくして、駅前通りに出ます。ここを右折すると吉井駅に到着します。多胡碑から30分くらいかかりましたでしょうか。

 

 吉井駅舎内には「上毛かるた 多胡碑」がありました。上毛かるたの名前はよく耳にしますが、多胡碑もあったとは知りませんでした。

 む:昔を語る多胡の古碑

 10:57発の電車に乗り込み、2つ先の西山名駅へ向かい、ここから鎌倉街道の続きを始めます。上野三碑の残り一つである山上碑は、鎌倉街道から少し寄り道をするだけで訪れることができるので、この後に訪問します。

 

 

国土地理院の地図を加工しました。

 

 

鎌倉街道上道(18)根小屋から高崎 その2へ続きます。