2021年10月30日
勝沼
普通電車に乗って、9:00に勝沼ぶどう郷駅に到着しました。登山客でほどほどに混んでいた車内も一つ手前の甲斐大和駅でほとんど降りてしまい、ガラガラの状態でした。
勝沼ぶどう郷駅はブドウ、ワインの観光拠点ですが、時間的にはまだ早いようで降りる人はまばらです。
天気は快晴、今日は終日天気が良い予報です。しかし、気温は結構寒く、10℃を切っていると思います。
駅からの眺めは素晴らしいです。盆地の向こうには南アルプスの山並みが連なっています。北岳や間ノ岳でしょうか、すでに雪を頂いています。
9:15に本日のスタート地点である勝沼宿上行寺前の交差点へ向かいます。駅前の県道38号を左へ下っていきます。スタート地点までは約2kmの道のりです。
斜面に広がるブドウ畑を眺めながら坂道を下っていきます。勝沼の代表的な風景です。
老舗シャトー勝沼の前を通ります。
勝沼宿
勝沼ぶどう郷駅から下り続けて20分で、本日のスタート地点に到着しました。上行寺脇にある交差点です。
甲州街道に面したところには「日蓮聖人投宿之地」と記された碑が立っています。上行寺は日蓮ゆかりの寺です。
道を隔てた反対側には木柵が建てられた勝沼氏館跡公園の入り口があります。
勝沼氏は武田信虎の弟である信友が勝沼の姓を名乗ったのが始まりで、この地に館を構えていました。武田家の親戚衆ではありましたが、信友の子である信元が謀反の疑いをかけられて信玄によって滅ぼされてしまいした。
館跡はこのあたり一帯、日川の段丘上に広がっていて、建物、堀、土塁跡が発掘調査で見出されました。残念ながら、発掘跡までは足を延ばしませんでした。
街道に戻り、歩き始めると、すぐの右手には脇本陣跡の標柱が立っています。
勝沼宿は江戸との街道筋にあるとともに、峡東地域の東端に位置します。このため、周辺の物資が集まり、市場も立って大変栄えていました。宿場は上町、中町、下町から街道沿いに西へ拡張されていきました。
上町交差点を通過します。
交差点すぐの右手には本陣跡があります。「本陣槍掛けの松」と記された標柱が立っています。本陣に大名や公家が宿泊する際に、その目印にこの松に槍を立て掛けたと言われています。クロマツでしょうか、立派な松です。
本陣跡の脇から右手に入る細い路地が続いています。小佐手(おさで)小路と呼ばれています。かつての勝沼氏館から続く道で、両脇には家臣団の屋敷が立ち並んでいたと言われています。また、突き当りにある泉勝院は勝沼氏の菩提寺となっています。
勝沼宿中町の町並みです。下の写真中央の蔵から西へ旧家が2軒連なっていますが、萩原家住宅(屋号は仲松屋)です。蔵の隣の東店舗兼主屋、および、その隣の西店舗は江戸末期の建築と言われています。
右手には3階建ての蔵が立っています。なんと地下もあるそうです。
その数軒先には旧田中銀行社屋の洋館が建っています。瓦屋根が周りの町並みにマッチしています。
元は勝沼郵便電信局舎として明治30年代前半に建てられましたが、大正9年(1920年)から昭和7年(1932年)頃まで山梨田中銀行の社屋として使われていました。今は博物館になっています。国の登録文化財に指定されています。
右手には勝沼小学校があります。この地はかつての勝沼学校の跡で、明治6年(1873年)に創立されました。藤村式の洋風建築の学校でしたが、昭和30年(1955年)に取り壊されてしまいました。校門の前には勝沼学校跡碑と説明板が立っています。
また、明治13年(1880年)には明治天皇の行在所として使われました。明治天皇勝沼行在所の碑と明治天皇御製と記された歌碑があります。
「えびかつら いろつきそめぬ やまなしの さとのあきかぜ さむくなるらし」
えびかつらはブドウのことだそうです。
さらに、小学校の校門の前にはようあん坂の標柱が立っています。街道に立つと、すでに甲府盆地に入っていますが、この先も下り坂が続いているのが分かります。
勝沼地域総合局入口交差点を通過します。信号機のポールには「甲州街道勝沼宿」という標識も付けられています。
等々力地区に入ります。さらに、緩やかな坂道を下っていきます。
右へ入ると等々力寺町へ通じる標識が立っています。寄り道はしていませんが、9つの浄土真宗のお寺が集まっているそうです。
さらに扇状地の斜面を下っていきます。どこまで下るのでしょうか。
右手には常夜灯と丸石道祖神があります。山梨では丸石を形どった道祖神が有名です。どのような思いが込められているのでしょうか。
等々力交差点を通過します。南アルプスの山々の白い頂が青空に映えます。
この等々力交差点で県道34号は終わり、右からの国道411号がここから先の甲州街道の道となります。国道411号は奥多摩へ通じている国道です。
万福寺入口の一角にも丸石道祖神があります。ここにも常夜灯が立っています。
白百合醸造の角から山梨市に入ります。
左から日川が迫ってきます。この先もところどころ旧甲州街道の標柱が立っています。
山梨市の標識には「万葉ロマンと果実の山梨市」のキャッチフレーズが示されています。