今へ続く街道を歩くと

気楽に歩きながら街道の雰囲気を楽しんでいます

日光千人同心街道(2)箱根ヶ崎から武蔵高萩 その2

 

2015年1月2日

 

扇町屋宿

 

 扇町屋南交差点で真ん中の道を進み、扇町屋五丁目交差点を過ぎたあたりから扇町屋宿に入ります。扇町屋宿は三と八のつく日に行われる六斎市が開かれ、主に穀物の流通の拠点でした。

 日光千人同心街道を利用した日光勤番は、行きはここ扇町屋宿で昼食を取り、帰りは宿泊したと言われています。

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 左手からの路地との合流点に扇町屋上町の道標が立っています。説明板が立っていますが、文字が薄れて読み難いです。青梅からの青梅道との合流点に建てられていたもので、安政3年(1856年)に建立されたと記されています。上の写真の左からの道が、説明板に記されている青梅道でしょうか。

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 また、同じ場所に地蔵尊馬頭観音もあります。

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 その先が扇町屋三丁目交差点です。明治時代には左手から正面方向に中武馬車鉄道が走っていました。青梅と入間川狭山市)を結んでいました。

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 扇町屋宿の町並みは、当時の面影を残すものはあまりありませんが、ひときわ目立つ大きな旧家があります。

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 扇町屋宿を歩きます。

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 その先が豊岡交差点となります。入間市の中心地のようです。

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 さらに道は二股に分かれますが、日光千人同心街道は左へ進みます。右は西武池袋線入間市駅へ向かう道です。

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 この二股の右手、ユナイテッドシネマの駐車場の脇に扇町屋下町の道標が立っています。正面に「道祖神」、裏側に「享和二年(1802)」、側面に「川越道 」(右面)と「日こう道」(左面)と刻まれているようです。

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 二股から坂を下ります。武蔵野台地から入間川に向けての坂道です。扇町屋通りの「さんかくはし」から河原町交差点へ抜けるこの道は、扇町屋と黒須という二つの町場を結び、黒須では「町屋坂」、扇町屋では「黒須坂」と呼ばれてきました。

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 西武線のガード下をくぐります。

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 坂を下ると河原町交差点で国道16号を横断します。交差点付近は整備中です。

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 河原町、鍵山地区を進みます。やっと晴れてくれました。

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 下町の道標から35分で鍵山交差点に着きます。その先、道は大きく右へカーブします。反対車線は河原町交差点まで渋滞が続いています。

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 歩道橋の左手の袂に旧黒須銀行の建物があります。旧黒須銀行は、黒須銀行の新営業所(本店)として明治42年(1909年)に建築された建物です。入間市有形文化財に指定されています。

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 その隣は、繁田醤油の工場があります。通り側には立派な長屋門が残っています。繫田家は江戸時代に名主を務めていました。この長屋門も江戸時代のものだそうです。

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 左手の道に入ると繁田醤油の蔵を見ることができます。繁田醤油のブランドはキッコーブ(武)です。

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 その先にはお茶の問屋と小売りの行っている當摩本店の店舗があります。店は閉められているのでしょうか。明治初期の建物だそうです。

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 信号のある交差点の先で入間川に架かる豊水橋を渡ります。

 豊水橋には初代と二代目の橋の、当時の写真がパネルとして掲示されています。初代は大正9年1920年)に完成し、木製の橋でした。二代目は、昭和4年(1929年)に完成したコンクリートの橋で、現在の三代目が完成する平成15年(2003年)まで70余年使われてきました。

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 入間川下流の眺めです。魚道が設置されています。

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 上流方面です。遠く奥多摩方面でしょうか、山並みを望むことができます。

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