今へ続く街道を歩くと

気楽に歩きながら街道の雰囲気を楽しんでいます

鎌倉街道上道(9)所沢から入間川 その3

 

2023年12月29日

 

入間川

 

 野々宮神社の前から続いていた直線の道が終わり、右へカーブする手前の信号を左折します。その先で、西武新宿線の踏切を渡り、道なりに進むと、狭山市駅西口前のロータリーに出ます。鎌倉街道狭山市駅付近で消滅していますが、駅から西へ直進していたはずです。

 

 鎌倉街道から反れて、寄り道のために駅を背にして左の道(南西方向)へ進みます。

 

 次の信号を右へ入ります。

 

 静かな住宅街の中、緩やかな坂を上っていきます。

 

 その先には八幡神社があるので寄り道をします。

 

 八幡神社宇佐八幡宮を本社とする神社で、創建は社宝の「砂破利のつぼ」から室町時代初期と考えられています。新田義貞の信仰が厚く新田八幡と呼ばれています。

 北側の一の鳥居に上がる階段はかなり急で、八幡神社は高台の縁に建っていることが分かります。

 

 拝殿の彫刻が立派ですね。

 

 拝殿から左へ回ると、階段の先には本殿が見えます。階段を上ると、本殿脇には新田義貞の駒つなぎの松があります。元弘3年(1333年)、新田義貞が鎌倉攻めを行う際、この近くの徳林寺に泊り、源氏ゆかりの八幡神社に戦勝祈願を行いました。この時に愛馬を繋いだ松です。今は根株しか残っておらず、傍らには若木が植えられています。

 

 八幡神社から、先の道を進みます。今度は坂道を下っていきます。

 

 突き当りの図書館前を左折します。その先は鎌倉街道の道筋をトレースしているようです。ちなみに図書館前の右手は公園になっていて、坂を上ると狭山市駅に出ます。

 

 右手の道の先には徳林寺が見えます。

 

 正面には山門が建っています。

 

 徳林寺は新田義貞の鎌倉攻めの際に、本陣を置いた場所と言われています。また、後の鎌倉公方足利基氏(尊氏の四男)が一時的に入間川に9年ほど御所を設けたことがありました。南朝側の勢力を入間川で食い止めることが目的でした。入間川御所の所在は不明ですが、ここ徳林寺にあったと言われています。

 

 早咲の桜でしょうか?

 

 図書館前から、入間川に向けて徐々に下っていきます。七夕通りを横切ります。有名な入間川の七夕まつりにちなんだ通りの名前です。

 

 入間川の作る沖積平地に出たようです。さらに先を進みます。

 

 鎌倉街道国道16号に突き当たり、直進できません。国道の向こうにも道が続いているようなので、左手にある入間川3丁目交差点まで迂回して国道の反対側に渡ります。

 

 入間川3丁目交差点へ向かいます。

 

 歩道橋で国道16号を渡ります。

 

 入間川です。こちらの方向にかつての鎌倉街道の渡し場、八丁の渡しがありました。

 

 国道に遮られた先の道に左折して入ります。

 

 すぐのところで入間川の土手に突き当たります。渡しがどこにあったのかは不明ですが、次回、ここから見える対岸に回ります。

 

 再び、入間川3丁目交差点に戻ります。今日の街道歩きはここまでとして、次回は、ここを右折して新富士見橋で入間川を渡ります。

 

 しかし、もう1か所寄るところがあります。交差点から国道の歩道をさらに西へ向かって歩きます。すぐのところで国道から右の道へ入ります。

 

 側道と国道の間に清水八幡宮があります。

 

 清水八幡宮は木曽(源)義仲の嫡子義高を祀っています。木曽義仲源頼朝の和議の証として、義高は頼朝のもとへ送られ、頼朝の娘の大姫の婿となりました。しかし、後白河院の義仲討伐の命により、頼朝との合戦に至り、粟津の戦いで義仲は討ち死にします。義高の立場を危うんだ、政子や大姫は義高を鎌倉から逃がしましたが、頼朝の追っ手によって、八丁の渡しあたりで、討ち取られていまいました。享年12歳でした。

 政子は義高を弔うために、討ち取られた場所に壮麗な社を建てました。その後、入間川の洪水で神社は流されてしまい、近くの寺に移されましたが、明治の廃仏毀釈で今の場所に遷座されました。

 

 清水八幡宮を訪れた後、休憩のために近くのガストへ寄ります。

 30分くらいくつろいだ後、近くのバス停から西武池袋線入間市駅回りで帰ることにします。

 

 20分弱バスに揺られ、入間市駅に着いたのは16:15です。本日は7時間10分の行程でした。西武池袋線で帰路につきます。

 次回は、狭山市駅から歩いて、入間川3丁目交差点からスタートします。

 

 

 

 

 

国土地理院の地図を加工しました。

 

 

kaido-aruki.hatenablog.jp

 

 

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