今へ続く街道を歩くと

気楽に歩きながら街道の雰囲気を楽しんでいます

甲州街道(2)初台から調布 その1

 

2019年12月29日

 

初台

 

 初台駅に8:50頃到着しました。コーヒーショップで朝食を済ませた後、9:10から歩き始めました。天気は晴れですが、気温は5℃くらいしかなさそうです。甲州街道の南側から歩道橋を渡り新国立劇場脇に出ます。

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 これからしばらくは高速道路が覆いかぶさった甲州街道を歩きます。

 すぐのセブンイレブンの角を、寄り道のために右に入ります。

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 少し歩いたマンションの前に旗洗池跡の石碑と説明板があります。

 後三年の役ののち、八幡太郎義家が上洛の際に、この地にあった池で白旗を洗ったという伝説があります。その池は、現在は埋め立てられてしまったそうです。この伝説から幡ヶ谷という地名ができたとも言われています。

 石碑は東郷平八郎筆のものですが、説明板とは反対を向いています。

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 甲州街道に戻り、再び高速道路に覆われた街道をひたすら歩きます。

 幡ヶ谷駅前交差点、笹塚交差点を過ぎ、旗洗い池入口から20分ほど歩いて笹塚駅入口に着きます。

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 そのすぐ先に笹塚の説明板があります。スーパーの駐車場脇の植栽に、東から歩いてくると背を向けて立っています。

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 かつて、この地の街道の南北に笹の茂った塚があり笹塚と呼ばれていました。この塚が一里塚であったかどうかははっきりしていませんが、日本橋から3里の距離にあります。笹塚の地名の由来となりました。

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 大原交差点を過ぎ、松原交差点付近の水道施設まで来ると通り沿いのビルも疎らになり、わずかですが、開放感が得られます。イチョウの葉もすっかり落ちています。

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 松原交差点の先で甲州街道井の頭線の上を跨ぎます。すぐ北側には玉川上水の導水管が線路の上を通っています。

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 その脇は明治大学です。正門のすぐ先のフェンス前に塩硝蔵地跡の説明板が立っています。

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 ここ明治大学と隣の和田堀廟所のあたりは江戸幕府の塩硝蔵(鉄砲爆薬の貯蔵庫)がありました。明治以降は陸軍の弾薬庫として使用されていましたが、大正の末期に廃止されました。

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 その先はケヤキ並木が続いています。

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 明治大学の隣は和田堀廟所があります。コンクリート造りのモダンなお寺です。関東大震災後にこの地は築地本願寺に払い下げになりました。

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 上を走る首都高速の永福パーキングの下を通ります。車道だけでなく、歩道の上にも高速道路が覆いかぶさります。

 国道の歩道の脇には玉川上水の暗渠部が遊歩道となっているので、こちらを歩きます。

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下高井戸宿

 

 下高井戸駅入口交差点の先も暗渠部に沿って緑地公園が続いています。ほっとする景色です。

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 国道の歩道に戻ります。下高井戸歩道橋には「国道20号 甲州街道」と表示されています。

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 下高井戸駅入口から15分ほど歩くと右手には宗源寺があります。境内にある不動堂はかつて高台にあり、「高井堂」と呼ばれていました。これがこの地の高井戸の語源となった説があります。

 宗源寺の左隣には冨吉本陣がありました。今はそれを示すものは何もありません。

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 その先、鎌倉街道入口交差点で横断して甲州街道の南側へ移動します。

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 すぐのところに下高井戸の一里塚の説明板が立っています。日本橋から数えて4里目の一里塚です。参勤交代で甲州街道を利用した大名は、高島藩、高遠藩、飯田藩の3藩だけでした。また、甲府には幕府甲府勤番が置かれ、役人の往来もありました。

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上高井戸宿

 

 下北沢駅入口第二交差点で、頭上を覆っていた高速道路は右に反れ、甲州街道は直進します。凄くスッキリした感じです。

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 高速道路と分かれて10分強で、環八の下をくぐります。上高井戸一丁目交差点です。

 道を隔てた反対側の角には、武蔵屋本陣がありました。月初から15日までを下高井戸宿が問屋業務を務め、16日から月末までを上高井戸宿が務めました。

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甲州街道(2)初台から調布 その2 へ続きます。

 

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