今へ続く街道を歩くと

気楽に歩きながら街道の雰囲気を楽しんでいます

東海道(13)丸子宿~岡部宿~藤枝宿~藤枝 その3

 

2023年3月20日

 

坂下

 

 おおよそ25分かけて宇津ノ谷から峠を越えて坂下まで降りてきました。峠下のトンネルを抜け出た国道1号の擁壁を背に坂下地蔵堂を望みます。写真右の道が今下ってきた東海道と途中で合流した奈良時代からのつたの細道で、左の道は明治のトンネルへ通じる道(明治の道とも記されています)となっています。

 

 緩やかなスロープを上っていくと、左折して国道1号の上り線に入る道と、真っ直ぐ進んで下り線に入る道とに分かれます。分岐の角にはつたの細道の標石も立っています。

 そのまま直進して国道1号に入ります。

 

 国道1号の脇を5分ほど歩くと廻沢交差点にかかる歩道橋が見えてきます。

 

 廻沢交差点の歩道橋を渡り、国道から右へ入る道(県道208号)に向かいます。

 

 山裾に続く長閑な街道歩きが楽しめます。旧街道の名残の松でしょうか。

 

 岡部川沿いを歩きます。

 

 国道から分岐した比較的広い通りと合流します。

 

 車の多い通りに出て、右手の高台の上には十石坂観音堂が見えます。

 また、この辺りには岡部の一里塚があったとされていますが、場所は特定されていません。日本橋から数えて48里目の一里塚です。

 

 急な階段を上ると、お堂の前に出ます。彫刻が素晴らしい。また、お堂の脇には多くの石仏石塔があります。

 

 

岡部宿

 

 十石坂観音堂からすぐのところに、かつては東の見附がありました。ここには桝形が形成され、木戸もありました。今は全くその痕跡が見られず、直線の道が続いています。

 

 東海道は県道から別れ、右の道に入ります。

 

 突き当りを左へ曲がります。

 

 岡部川を渡るとすぐに、先ほど別れた県道に合流します。

 

 県道脇の旧家は大旅籠柏屋(かしばや)です。天保6年(1835年)に造られた建屋で国の登録有形文化財に指定されています。主屋は歴史資料館になっていますが、残念なことに、今日(月曜日)は休館日でした。敷地内にある蔵カフェで休憩と思っていましたが、残念。

 

 柏屋の隣の本陣跡も月曜日で門が閉じられています。本陣門は復元されたもので、中に入ると往時の建屋の間取りを平面上に示した広場になっています。

 

 どちらも休館だったので、さらにその隣の岡部宿公園のベンチで、一時、休憩します。

 

 水分補給をしてから再び歩き始めます。右手には銘酒「初亀」の醸造元である初亀醸造が建っています。寛永13年(1636年)から酒造りを始め、静岡県では最古の歴史のある造り酒屋だそうです。

 

 東海道は左の道へ入ります。

 

 小さな水路を渡りますが、小野小町が晩年にこの地を訪れた際に、この水に老いた姿を映し嘆き悲しんだと言われています。誰でも老いには勝てませんね。岡部宿の人々は姿見の橋と呼んでいます。

 

 街道は緩やかにカーブしています。なかなか良い雰囲気です。

 

 高札場跡もあります。

 

 県道に合流する手前で左へ曲がります。桝形でしょうか。

 

 まだまだ岡部宿は続きます。

 

 光泰寺には木喰(もくじき)が作製した独特の表情を持った聖徳太子像が安置されています。木喰は江戸後期の仏像彫刻師で、全国を行脚する遊行僧でした。光泰寺はここから500mほど歩いたところにあります。

 

 やがて、西の木戸跡に出ます。

 

 桝形の道を渡った角に桝形跡の説明標石が立っています。

 

 県道に入ると、電柱のないスッキリとした商店街が続きます。

 

 街灯は行燈風です。

 

 商店街を抜けると、右側には松並木が見えてきます。

 

 この通りは「つた街道」ですか。道路標識が立っています。

 

 振り返っても立派な松です。

 

 

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