今へ続く街道を歩くと

気楽に歩きながら街道の雰囲気を楽しんでいます

鎌倉街道上道(7)西国分寺から東村山 その1

 

2023年5月3日

 

泉町

 

 ゴールデンウイーク後半に突入します。今年はコロナの制限がなく、行楽地はこれまで以上に混雑すると予想されています。前回に引き続き人混みを避けて鎌倉街道を歩きます。

 9:20くらいに西国分寺駅に到着しました。天気は晴れ。今日はちょっと暑くなりそうです。9:30に歩き始めます。

 

 南口を出て、武蔵野線の高架の下をくぐります。

 

 武蔵野線をくぐると府中街道に出ます。前回街道歩きを終わりにした西国分寺駅南入口交差点を横断して鎌倉街道を北へ向かいます。

 

 西国分寺駅武蔵野線と中央線が交差していて、左手には武蔵野線のホームが、下には中央線のホームが設置されています。

 

 中央線の上を越えます。隣の国分寺駅方面を望みます。中央線の北側に広がる緑地へこれから向かいます。

 

 中央線を越えてすぐの西国分寺駅北入口交差点を右に入ります。

 

 その先で車道は行き止まりとなり、階段を下るとT字路に出ます。下の左右の道が鎌倉街道の旧道になります。右へ行くと、すぐに中央線のホームで行き止まりになります。

 左へ入ります。

 

 次の十字路の路地を右折します。

 

 その先で緑地保全地域に入ります。

 

 新緑の中、散歩をするにはとても気持ちの良い遊歩道です。

 

 しばらく歩くと姿見の池に出ます。この辺りは国分寺崖線が台地側に入り込んだ谷を形成していて、湧水を湛えている場所です。

 また、姿見の池には次のような謂れが残っています。

 源平の戦いの頃、源氏方の武将畠山重忠と恋ヶ窪宿の遊女夙妻(あさつま)太夫が恋に落ちました。しかし、太夫に熱をあげている男が、重忠は西国での平家との戦いで討ち死にしたと太夫に伝え、大夫は悲しみのために姿見の池に身を投げました。

 太夫の死を哀れんだ村人が、墓標として不思議な一本葉の松を植えたと言われていますが、今は枯れてしまいました。現在はその枝を植継いだ松が東福寺境内に植えられています(国分寺市HPより抜粋)。この後、東福寺へ向かいます。

 

 亀が日向ぼっこしていますね。

 

 また、遊歩道には東山道武蔵路跡の説明板があります。東山道武蔵路がちょうどこの場所で湿地帯を横切っていたことが確認されています。発掘調査によると、道路下の地盤に改良が施されていることが分かりました。説明板によると木杭で止められた木枠の中に10~20cmの厚さに礫を敷き、その上から関東ローム層の土と黒土を交互に突き固めた版築工法が施されていました。版築は前回訪れた国分尼寺の金堂の基檀でも出てきましたね。

 

 湿原の脇では中央線の電車が走っています。

 

 水路の脇を辿っていくと鎌倉街道に出ます。角には恋ヶ窪用水(恋ヶ窪村分水)由来の説明板が立っています。江戸時代には灌漑用水として玉川上水から分水した一部がこの辺りを潤していて、姿見の池付近の湧水も流れ込んでいました。

 右折して鎌倉街道に戻ります。

 

 すぐの左手には東福寺があります。

 

 本堂へ続く階段の右脇には、姿見の池に身を投げた夙妻太夫を祀った傾城墓(けいせいぼ)と刻まれた石塔とその隣には三代目の一葉松が立っています。一本の葉なのかどうか?

 

 さらに鎌倉街道を進みます。

 

 街道脇には熊野神社があります。和歌山県熊野大神から勧請しましたが、その起源ははっきりしていません。元弘建武の頃に新田義貞と鎌倉勢との戦いで焼失しましたが、後に再建されました。

 

 拝殿です。

 

 龍の彫り物が立派です。

 

 社殿を右に回った奥には芭蕉句碑が建っています。写真の右の四角い碑です。

 ひょろひょろと なほ露けしや をみなへし

 ひょろひょろと立っている女郎花に露がかかってさらに危うい

 更科紀行の一句です。この句碑は恋ヶ窪出身の俳人、宝雪庵可尊が明治7年(1874年)に建てたものです。

 

 熊野神社から交差点を渡ると、鎌倉街道に沿って恋ヶ窪村分水の堀跡が残されています。遊歩道として整備されている右の道に入ります。

 恋ヶ窪村分水は先ほども説明板がありましたが、江戸時代に玉川上水が引かれたすぐ後に、玉川上水から恋ヶ窪村まで水を引いた用水です。

 

 緑道がしばらく続きます。

 

 すぐに、正面には西武国分寺線の線路が見えてきます。

 

 線路脇で掘跡を覗くことができます。結構深いです。説明板には、堀幅は上端部で6~9m、底部で50cm、深さは5mほどと記されていました。

 

 鎌倉街道は線路で遮られるので、線路に沿って左へ進み、迂回します。

 

 左手にある府中街道の踏切を渡ります。

 

 踏切を渡ってすぐを右折して鎌倉街道に向かいます。

 

 鎌倉街道に突き当たるので左折します。

 

 

鎌倉街道上道(7)西国分寺から東村山 その2へ続きます。