今へ続く街道を歩くと

気楽に歩きながら街道の雰囲気を楽しんでいます

東海道(19)新居町~新居宿~白須賀宿~二川宿~二川 その1

 

2023年5月21日

 

新居宿

 

 浜松から電車に乗って8:00前に新居町駅に着きました。空は薄曇りです。天気は昨日とほぼ変わらないようです。8:00に歩き始めます。昨日、新居関所を見学しておいたので、今日のスタートは新居関所の大御門からになります。 

 

 駅前から整備された歩道を新居関所へ向けて歩き始めます。

 

 山頭火の句碑が立っています。

  水のまんなかの道がまっすぐ

 昭和14年(1939年)に2度目の遠州訪問の際に詠まれた句です。舞坂・新居間の島と島を結ぶ道から、今より湖がよく見えたのでしょうね。

 

 昨日は気づかなかったのですが、すでにアジサイが咲き始めています。

 

 浜名橋を渡ります。

 

 その先で昨日訪れた新居関所の遺構を右に見つつそのまま進むと、高麗門様式の大御門が復元されています。

 関所で通行の許可を得た旅人は大御門を通って新居宿に入ります。大御門は明け六つに開き、暮れ六つに閉じられていました。

 

 

新居宿

 

 大御門を抜けるとそこは18m四方の桝形になっていました。厳重な防御態勢を敷いていたようです。一角には高札場があり、復元されています。

 

 新居宿を西へ歩きます。

 

 左手には旧旅籠紀伊国屋があります。創業は不明ですが、元禄16年(1703年)には紀州藩御用宿になっていました。昭和の終戦後に廃業するまでの250年間、旅籠、旅館を続けてきました。建屋は明治初期のものですが、平成13年(2001年)に解体修理を行い、現在は公開されています。

 ちょうどボランティアの人が2階の雨戸をあけているところで、「9時になったら開けますので、それまで待っていてくださいね」と声をかけていただいたのですが、50分近くあるので、残念ながらそのまま先へ進むことにしました。

 

 東海道はその先でT字路の泉町交差点に突き当たり、左折します。

 

 交差点の正面は飯田武兵衛本陣がありました。小浜、桑名、岸和田藩など70家が利用していました。

 

 飯田本陣跡の南隣には疋田八郎兵衛本陣の標柱と説明板があります。吉田藩や徳川御三家など120家が利用していました。

 新居宿にはもう1軒、疋田弥五郎本陣が泉町交差点の角にありましたが、見過ごしてしまいました。

 

 本陣の少し先には寄馬跡があります。東海道では各宿場の問屋に百人の人足と百匹の馬を常備していましたが、それだけでは不足したときのために、助郷から人馬を用意していました。ここは寄せ集めた人馬の留め置き場になっていました。

 

 朝の新居宿の町並みです。

 

 街道脇には秋葉常夜燈が祀られています。

 

 左手には一里塚碑と説明板があります。新居の一里塚で、日本橋から数えて69里目の一里塚です。

 

 その先の十字路で街道は右へ入ります。角には東海道の標識が立っています。

 

 その先も静かな町並みです。

 

 東海道は道なりに左へ曲がります。棒鼻跡です。

 

 ここは新居宿の京側の口で、土塁で囲まれた桝形がありました。棒鼻とは籠の棒の先のことです。大名行列が宿場町に入る際に列を整えたと言われています。

 

 京口から南へ歩くと、県道417号との交差点、橋本交差点に出るので、右折します。

 明和7年(1498年)の大地震津波により今切口が開かれる以前、古代から中世にかけてはこの辺りに橋本宿という宿駅が設けられていました。かつての街道は橋本宿から、砂州沿いを地続きで舞坂宿まで通っていました。

 浜名湖から遠州灘へ流れる浜名川がこの橋本宿近くを通り、街道には大きな浜名橋が架かっていたと言われています。しかし、今現在は浜名川の川筋や、どこに橋が架かっていたか確定できていません。橋本(橋下)という地名が当時と繋がるものだと考えられています。

 

 県道417号を西へ向かいます。

 

 左手には風炉の井の石碑が立っています。建久元年(1190年)に源頼朝が橋本宿に宿泊した際に、茶の湯に使用した井戸と言われています。

 

 右手には教恩寺があります。鐘楼のある山門が建っています。

 

 東海道は教恩寺のある橋本西交差点から右へ入ります。

 

 旧橋本の町並みを抜けると松並木が現れます。浜名旧街道と記された標識が立っています。

 

 紅葉寺跡の標識に従って寄り道をします。

 

 民家の間を抜けると高台へつづく階段がありますが、その上には建物はありません。

 紅葉寺は室町幕府6代将軍足利義教が永享4年(1432年)に紅葉を愛でたために、紅葉寺と呼ばれるようになりました。

 

 紅葉寺跡からの眺めです。

 

 

東海道(19)新居町~新居宿~白須賀宿~二川宿~二川 その2へ続きます。