2023年11月11日
稲屋
佐屋街道は万場宿から砂子を通り、稲屋交差点の先で旧道に入ります。旧道といっても普通の町並みが続きます。
街道の南側には七所神社の境内が広がっています。街道から左の路地を入ると、鳥居は東を向いて立っています。
七所神社脇の街道には、かつて、一里塚があったと言われています。
すぐの右手の民家と駐車場の境に一里塚跡の標柱が立っています。千音寺の一里塚で、日本橋から数えて92里目の一里塚です。
街道は弓なりに右へカーブを描き、その先で大治町に入ります。先ほど大治町を歩いていたはずですが。
西條平ヶ野交差点を横切ります。
すぐの狐海道東交差点を左折します。かつて、この辺りは人家のないさみしい場所で、旅人が狐に化かされたので狐海道と言われています。
西條交差点の三叉路を直進します。
交差点のすぐの右手に八剣社があります。熱田神宮の別宮である八剣宮から勧請しました。
福田川を秋竹橋で渡り、あま市に入ります。かつて秋竹は佐屋街道の立場があり、茶屋が集まっていました。
七宝小学校北東交差点を通過します。
交差点の右手角には七宝焼原産地道標が立っています。尾張の七宝焼きは海外でも人気があり、買い付けに来たり、鑑賞しに来たりする外国人も多く、明治28年(1895年)に建立されたこの道標には、「七宝焼原産地 宝村ノ内 遠島」と記されている上部に、Shippoyaki Toshimaとも記されています。また、右面には、北へ向けた手差しのイラストと「従是六町」と記されています。ここから700mほど北にある旧宝村遠島がその中心だったそうです。
七宝地区を通ります。
左手街道脇の空き地には、大きな「奉納 国府宮大鏡餅」と書かれた幟が立っています。何でしょう?
国府宮は稲沢市にある尾張大國霊神社で、来年2月に行われるはだか祭に大鏡餅を奉納しますよということを知らせる幟ですね。大鏡餅の巨大さと奉納パレードの賑々しさが奉納には重要なポイントとなるようです。「国府宮はだか祭」は愛知県の無形民俗文化財になっています。
下田バス停の先で、歩道は県道から左へ別れます。
歩行者専用の橋を渡ります。
蟹江川です。
再び県道と合流する手前で、T字路を左折して寄り道をします。
すぐのところに源義経弓掛の松があるとのことでしたが、よく分からなかったので引き返します。
ところが、途中に街道に背を向けて、さらに住宅の工事ネットに隠れたところに説明板がありました。
言い伝えによると、義経が兄の命で京へ向かうとき、この近くにある松に弓を掛けて、軍勢を休ませたそうです。現在は5代目の松があるとのことですが、どこにあるのでしょうか。
津島市に入り、さらに県道を進みます。ここまで来て、時刻は11時少し前ですが、ちょうどCafeがあったので休憩します。
神守宿
Cafeで30分ほど休憩して再び歩き始めます。長かった直線の道が終わり、右へカーブして神守交差点を過ぎた先に神守の一里塚があります。北塚が現存していて、ムクノキが植えられています。佐屋街道で現存している唯一の塚です。日本橋から数えて93里目の一里塚です。
神守宿はこの辺りから始まります。
神守宿下町の町並みです。
神守町下町交差点を右折します。
交差点を右折すると中町に入ります。
消防団の前には神守村道路元標が立っています。そういえば、天竜川脇に建つ六所神社前の中ノ町道路元標は静岡県唯一のものと説明板に書いてありましたが、愛知県内では道路元標をたまに見かけますね。
消防団の敷地の奥には神守祭で曳かれる中町車の山車蔵が見えます。神守祭はこの先の上町にある憶感(おっかん)神社や穂歳(ほうとし)神社の祭礼で、江戸時代中期から続いています。桜の花、大将人形やからくり人形が飾られています。