今へ続く街道を歩くと

気楽に歩きながら街道の雰囲気を楽しんでいます

中山道(17)奈良井から藪原 その2

 

2015年9月12日

 

鳥居峠道奈良井口

 

 鳥居峠への登り口を入ると石畳の道が続きます。

 鳥居峠妻籠-馬籠間と並び、木曽路では人気のあるハイキングコースです。標高差は奈良井宿からでも藪原宿からでも200m強で気軽に歩けます。

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 しだいにアップダウンを繰り返す山道に変わり、沢に架かるいくつかの小さな木橋を渡ります。木漏れ日の中、気持ち良くハイキングが楽しめます。

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 山道を歩くこと15分強で中の茶屋跡に着きます。休憩所の脇には葬沢の説明板があります。天正10年(1582年)、木曽義昌武田勝頼軍を迎撃した古戦場で、武田方の戦死者を葬ったことから葬沢と呼ばれています。

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 その後もアップダウンを繰り返しながら徐々に標高を上げていきます。

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 中の茶屋跡から登ること15分で鳥居峠の一里塚碑があります。説明板によると、遺構は残っていませんが、古地図や文献、古老の話からほぼこの辺りにあったと考えられています。日本橋から数えて65里目の一里塚です。

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 すぐに旧国道と合流し、左折して旧国道に入ります。旧国道といっても砂利道です。鳥居峠まであと100mです。

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 旧国道に入ってすぐの左手には立派な休憩所が建っています。脇には湧水も流れています。かつて中利茶屋があった場所です。

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 休憩所の脇からは、どの方角にあたるのか分かりませんが、視界が開けて山並みが見えます。まだまだ、気温は暑いのですが、空は秋の空です。

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 中山道はこの休憩所の脇、下の写真では電柱の脇から入ることになっていますが、あまりにも、草ぼうぼうなので旧国道を進むことにしました。

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 旧国道も平坦な道となり、鳥居峠に着きます。塩尻市から木祖村に入ります。旧国道の標高は若干違うかもしれませんが、鳥居峠の標高は1197mです。

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 すぐに開けた場所に出ます。ここで道は三方に分かれます。中山道は真ん中の道になります。下の写真では左の道に入ります。

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 すぐのところに熊除けの鐘があります。当然鳴らします。

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 しばらく、落葉樹の茂る明るい平坦な道を歩きます。このあたりは鳥居峠トチノキ群と呼ばれるトチの大木が多く見られる場所です。その中で、木の根元に大きな空洞のある「子産のトチ」と呼ばれている大木が立っています。昔この穴に捨て子がいて、子宝に恵まれない村人がこの子を育てて幸福になったことから、この木の実を煎じて飲めば子宝に恵まれると言い伝えられていました。道の反対側には「木祖村天然記念物 鳥居峠トチノキ群」の石碑も立っています。

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 5分くらい歩くとまた熊除けの鐘があったので、もう一度鳴らしました。この鳥居峠越えのハイキングコース、多くはありませんが時々ハイカーとすれ違います。

 その先すぐに、中利茶屋から分かれた旧道と合流します。下の写真は合流点を振り返って見た所です。右の道が旧道です。角には道標と思われる石があります。

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 その先、右手奥の石段の上に御嶽神社の鳥居が見えます。かつて木曽義元が戦勝祈願のため鳥居を建てたと言われ、鳥居峠の名前の元になっています。石段の脇を左へ入っていくと御嶽山の遥拝所があったようですが、それを知らずに街道を直進してしまいました。遥拝所からは御嶽山が望めるようです。

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 掘割のような道を下ります。

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 すぐに丸山公園と呼ばれる広場に出ます。

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 ここから下る道は左手と右手にあります。左手の道から下りましたが、結局は右手の道と合流します。標識が立っているので分かりやすいです。しかし、道によっては雑草がすごいです。

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 さらに、右に左に曲がりながら下ること10分で旧国道を横断します。

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 石畳の道を下っていきます。

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 石畳の道を5分ほど下ると、舗装された旧国道と合流します。峠道はここで終わりになります。1時間10分の峠越えでした。信濃路自然歩道中山道ルートの案内板が脇にあります。

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