今へ続く街道を歩くと

気楽に歩きながら街道の雰囲気を楽しんでいます

東海道(21)国府~御油宿~赤坂宿~藤川宿~岡崎宿~東岡崎 その2

 

2023年10月7日

 

赤坂宿

 

 600mほど続いた御油の松並木を過ぎると赤坂宿に入ります。御油宿と赤坂宿の間はわずか16町(約1.7km)しかなく、かつては2宿で1宿として扱われていました。その後、それぞれが上り(赤坂)、下り(御油)専用の宿場として扱われたこともありました。

 見附跡を過ぎると大きなクスノキの下に関川神社があります。長保3年(1001年)に三河国司の大江定基がクスノキのもとに市杵島媛命を祀ったのが始まりと言われています。

 

 鳥居の脇には芭蕉句碑が立っています。

 夏の月 御油より出でて 赤坂や

 御油宿と赤坂宿の距離の短さを夏の月の出ている時間で表しています。


 こちらは古い方の句碑です。

 

 信号のある交差点(赤坂紅里交差点)の手前左手には本陣がありました。説明板が立っています。かつての赤坂宿には4軒の本陣がありました。

 

 交差点の右手角には高札場が復元されています。

 

 高札場のある反対側の角は赤坂宿公園と称されています。大きな赤坂宿のまつりの説明板と、

 

 籠のモニュメントが飾ってあります。

 

 赤坂宿公園の隣は、曲げ物製造問屋の尾崎屋です。軒下に吊るされている看板が建屋にマッチしています。

 

 尾崎屋の街道を隔てた反対側の路地の奥には浄泉寺が見えます。寄り道をします。

 

 山門をくぐると、境内の説明書きの背後に百観音が並んでいます。

 

 本堂の脇には、ソテツの木が立っています。(手前はイチョウ)このソテツは広重の「東海道五十三次 赤阪 旅舎招婦図」の中央に描かれているソテツをこの地に移したものだと言われています。

 

 これは関川神社前あたりで撮ったマンホールの蓋のデザインです。歌川広重の「赤阪旅舎招婦ノ図」を模したもので、旅籠の描写の真ん中に描かれているのが、そのソテツになります。ちなみに、ソテツの左側は客がくつろぐ様子を表し、右側は飯盛女の詰めている布団部屋の様子を表しているそうです。

 

 今日の強風で、手前のイチョウの木から大量の銀杏が落下して敷き詰められています。このため、ソテツの近くに寄れませんでした。。。

 

 街道に戻るとすぐの左手には、旧旅籠鯉屋大橋屋が復元されています。中を見学できるようになっていて、ボランティアの方の話を聞き始めたところで、大人数の団体さんが入ってきたので、丁寧にお礼を言って引き上げました。

 

 大橋屋の隣の駐車場は旧脇本陣輪違屋)跡です。駐車場の奥は多目的広場となっています。

 

 その先には赤坂休憩処「よらまいかん」があります。中には座れるベンチが並んでいます。

 

 「よらまいかん」の向かいには赤坂陣屋跡の説明板が立っています。

 赤坂陣屋は三河天領支配の中心であり、当初はこの奥にありましたが、後に、先ほど通った脇本陣跡の奥に移されました。しかし、そこが手狭になってきたので、再びこの地へ移り、幕末には、三河県役所と名前が変わりましたが、明治になって廃止になりました。

 

 さらに赤坂宿は続きます。

 

 「よらまいかん」から5分ほど歩くと、西の見附跡の標柱が立っています。

 

 東の見附跡の説明板に掲載されていた広重の赤坂の浮世絵が標柱の天井部にはめ込まれています。

 

 赤坂宿を抜け、音羽中学校の脇を通ります。

 

 秋の空ですね。セイタカアワダチソウも咲き始めています。

 

 長沢地区に入ります。

 

 街道脇には栄善寺の寺標が立っています。石段を上がった先に本堂があります。

 

 音羽川に架かる八王子橋の向こうには、東名高速音羽蒲郡ICから続く県道の高架が見えます。

 

 橋の手前には一里山庚申道道標が立っていますが、「一里山庚申道 是・・・」しか読めません。

 

 この辺りの彼岸花は終わっています。

 

 左手には一里塚の標柱が立っています。長沢の一里塚で、日本橋から数えて77里目の一里塚です。

 

 長沢小学校の擁壁には長沢城址の説明板があります。

 長沢にはかつて今川側の関口氏の居城がありましたが、長禄2年(1458年)に三河松平氏三代目当主である松平信光がここを攻め入り、その子の親則に与えたと言われています。松平親則はここを居城とし長沢松平家の祖となりました。

 この地は、東海道の南側と北側に山が迫り、長沢城はその北側に位置していました。南側には岩略寺城もあり、防御上の重要な場所でした。

 また、江戸の時代、ここ小学校あたりに徳川家光が上洛の際に利用した御殿が造られました。

 

 さらに、長沢地区の住宅地を歩いて行きます。

 

 右へ大きくカーブした先には誓林寺があります。浄土真宗本願寺派のお寺です。

 

 長沢地区を進みます。

 

 

東海道(21)国府御油宿~赤坂宿~藤川宿~岡崎宿~東岡崎 その3へ続きます。

 

東海道(21)国府御油宿~赤坂宿~藤川宿~岡崎宿~東岡崎 その1へ戻ります。