今へ続く街道を歩くと

気楽に歩きながら街道の雰囲気を楽しんでいます

東海道(25)桑名~七里の渡し・桑名宿~四日市宿~近鉄四日市 その5

 

2023年11月12日

 

縄生の一里塚

 

 町屋橋を渡って朝日町に入り、伊勢国最初の一里塚は縄生(なお)の一里塚と呼ばれていました。日本橋から数えると、宮宿の伝馬の一里塚が89里目で、そこから七里の渡しを通ったので、97里目の一里塚となるようです。今は石碑が立つのみです。

 

 三重県東海道標識ですね。三重歴史街道と呼ばれています。

 

 安達本家酒造の前を通ります。「富士の光」「清鷹」の蔵元です。

 

 ビルの上には東海道の標識が。

 

 線路の向こうに東芝の事業所が見える街道脇のスペースには朝日町の東海道の標識と朝日町の歴史案内板、「旅人の息づかいが残る町 朝日町」があります。

 

 近鉄名古屋線伊勢朝日駅の脇の踏切を渡ります。縄生地区から小向(おぶけ)地区に入ります。

 

 駅の脇には東海道ポケットパークがあります。東海道をイメージしたそうで、東屋やシンボルツリーがあります。

 

 ポケットパークには旧東海道の石碑と朝日町史跡案内板があります。

 

 「ここは東海道」というタイトルでこの地の様子を描いています。ここ小向村では桑名や富田と並び焼き蛤が名物で、茶屋では火鉢に松かさを燃やして蛤を焼いていました。十返舎一九東海道中膝栗毛の一節も引用されています。

 

 その隣、街道脇には一本のエノキの巨木が立っています。樹齢300年余とのことです。この辺りの街道脇には松並木が植えられていて、雑木も混ざっていました。時は経ち、戦時中の松根油の採取や松喰い虫によって松並木はなくなり、このエノキ一本だけが残りました。

 説明板の最後を引用すると、「もしこの木が話せたならば、私たちに、この街道や村で起こったことをたくさん語ってくれることでしょう。」聞いてみたいですね。

 

 趣のある町並みです。

 

 変形十字路の右手角には小向神社の社標が立っています。小向神社はかつて御厨神明社とも呼ばれていました。垂仁天皇25年、皇大神宮桑名郡野代宮から鈴鹿郡忍山へ遷る時の頓宮の跡と言われています。ここから北へ直線で500mのJR関西本線の線路の向こうにあります。

 また、小向神社では、小向八王子祭が有名で、上半身裸の男たちが火のついた藁をもってたたき合い、人についた疫病を追い払う祭りです。

 

 よく見ると、それぞれのお宅の入り口に竹の花瓶に花を挿しています。「朝日東海道の町並みを”花挿し”で演出しよう!」という活動だそうです。ちょっとしたおもてなしですね。

 

 左手には橘守部誕生地の説明板があります。橘守部は江戸後期の国学者で、ほとんど独学で国学を学び、独自の学説を展開しました。平田篤胤、香川景樹、伴信友とともに天保国学四大家の一人に数えられました。

 

 右手にある寺院は浄泉坊です。徳川家にゆかりのある桑名藩主の奥方の菩提寺になっていたことがあり、山門や瓦に三ツ葉葵の紋が入っています。このため、参勤交代の大名はこの寺の前で駕籠から降りて一礼をしたと言われています。

 

 かつて本堂に載っていた鬼瓦が飾ってあります。

 

 山門の扉には三つ巴の紋と、徳川家の三つ葉葵の紋が彫られています。

 

 この本堂は明治43年(1910年)に建立されました。

 

 旧柿村に入ります。右手には西光寺があります。所蔵する絵像本尊の裏に明応5年(1496年)の銘があり、これをもって開基としています。

 

 すぐの十字路の右手にはJR関西本線朝日駅があります。

 

 東海道は左へ曲がります。

 

 すぐのところで右へ曲がります。

 

 まだまだ柿地区が続きます。

 

 やがて、民家もまばらになり、開けた街道になります。両脇には桜並木が現れます。

 

 田んぼが広がっています。

 

 正面には伊勢湾岸自動車道の高架が見えてきます。

 

 高架手前にある交差点右手には多賀大社常夜燈が立っています。弘化3年(1846年)に建立されました。かつては多賀大社から勧請した神社の境内にありましたが、他の神社との合祀のためこの常夜燈のみ残りました。元々は東海道沿いにありましたが、道路の改修工事でこの場所に移されました。

 

 高架の先で朝明(あさけ)川に架かる朝明橋を渡ります。歩道がありませんが、車の通りは少ないので通行には問題ありません。朝日町から四日市市に入ります。

 

 朝明川の下流方面です。結構、砂が運ばれていますね。

 朝明川は日本武尊が東征の際にこの地で夜明けを迎え、朝明川の水で口をすすいだことからその名がついたという謂れもあります。

 

 橋を渡り終えると左手に小公園があります。

 

 

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